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□きみをよぶ
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◎色恋沙汰2
「よねやん先輩!!」
陽介との30本勝負やらネイバー撃破対決やらが終わりロビーに出ると、わんこがいた。
遊真くらいのサイズの茶色い毛の少年は、感想戦で盛り上がるわたしらの方に駆け寄ってくる。
え、かわいい。わしゃしゃーってしたいんですけど!!
「なまえ、その手つきはやめとけ」
陽介の冷静なつっこみに、わきわきさせていた手は引っ込めておいた。
「途中から観てたよ!おねーさん、何者!?」
「お、おねいさん…!萌えしぬっ」
「落ち着けー。生きろー。緑川、こいつはなまえっていって、こういう感じで変態だ」
緑川くんは首を傾げたあと、百万ドルの笑顔でわたしの手をとり「よろしくね!なまえ先輩」とぶんぶん振り回してきた。
こ、こやつわたしが小さくて可愛き者に弱いと知っての犯行か…!?
しかし、このままだと米屋の言う通りの変態になってしまう…!
ぎゅうぎゅう抱きしめたい衝動を抑えて、何か言わねば!!
「緑川くん!ファーストネームは!?」
「わ、ちょっとなまえ先輩!?」
「こいつのファーストネームは駿だよ。離れろバカなまえ」
「おー出水、おつかれ」
「おう。米屋も見てねーで止めろよ」
首根っこをつかんでわたしから駿くんを引き離したのは、出水だった。防衛任務終わったんか。
いやー!抑えなきゃって思ってたのに、おもいっきし抱きしめてしまった!癒しの効果を得た!
「おら、行くぞ」
「おす。よーすけ、しゅんくん、またね〜」
「えー!なまえ先輩もう行っちゃうの?」
…っ!駿くんに垂れ下がった耳としっぽがみえる!!
こんなかわいいこを置いていける人間がいるか?否、いるはずがない。
「どこにもいか「バカやってないで行くぞ。じゃーな緑川。米屋」
有無を言わさぬ出水に引きずられ、泣く泣く駿くんとお別れした。
どこの所属とか全然わからんけど、また会えるよね。そしてまたわたしを癒してください…!
「よねやん先輩、いずみん先輩となまえ先輩ってつき合ってんの?」
「さー?知らね。何、気になんの?」
「そりゃーね!なまえ先輩かわいいじゃん!」
「マジかよ。まあかわいーっちゃそうだけど、あんなんだからなーなまえは」
「なまえ先輩って何者?よねやん先輩ボロ負けだったよね?」
「うわー。それ言っちゃう?恥ずかしーんだけど」
「先輩があんだけやられてなきゃ、そこまで興味持たなかったよ」
「ま、あいつのことは本人に聞けよ。おれがどうこう言うことじゃねーし」
「ちぇー。よねやん先輩のケチ!あ、あとなまえ先輩おっぱい大っきかったな〜」
「ぶっ!マジかよ!…どんくらい?」
「うーん、できたてのあんマン?」
「出来たてのあんマン…あんマンか…」
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