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□きみをよぶ
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◎華麗なるなんとか
たったの半年だ。
2年間のうち、彼と同じ時間を過ごせたのは半年、それにも満たない程。
それでもわたしの中に深く刻まれていて、今も思い出せば胸がいっぱいになって、涙になって溢れそうなくらいだ。
***
「なまえ!丁度いいところにいた。来てくれ」
「忍田さん?え、お、強制連行!?」
1月5日。
正月の三が日も過ぎ、多くのサラリーマンを抱えるここ、界境防衛機関本部も日常を取り戻していた。
かくいうわたしも、玉狛での楽しい美味しい時間はジョーズ(対城戸さんの着メロ)により終了され、今日も今日とてボーダー本部をぶらぶらしていた。
時間が空けば、迅に告げられた自分の未来について悶々と考え込んでしまうから、強制連行とはいえ忍田さんに捕まってよかったのかもしれない。
けど、テレビ関係とか広報の仕事だったら全力で逃げようと思う。
「3日後に入隊式があるのは知っているよな?」
「イエッサー」
なんといっても遊真とちかちゃんの正式入隊の日だからね!
さすがに覚えてますとも!
「入隊式は准…嵐山隊を中心に隊員で運営する。なまえも手伝いに入ってくれ」
「えー、めんどくさー。わたしがいてもボーダーの品位的なものが落ちるだけよ?忍田さん」
「…自分で言っていて虚しくないのか。おまえは、まったく」
虚しいも何も事実でしょうが!
テレビ出ろって言ったのはあっちなのにメディア室長の根付さんから、君は何があっても微笑んで頷くだけでいいから!って指示されたわたしだぞ!
「とにかく。小会議室で打ち合わせが行われているから」
「はーーーーい」
「真っ直ぐ行くんだぞ。知り合いがいてもついていくなよ」
「わーかってますって!いってきまーす」
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