WT

□きみをよぶ
38ページ/47ページ

◎大規模侵攻A






昼間だというのに辺りは暗く、空は厚い雲に覆われている。





「うわ、また出た。しかも大群!」

「うおー、マジですげえ」

「聞いてた通りとはいえ、この規模はやべーな」





危険区域内に入ると、バムスターとかなんか飛んでるのとかモールモッドとかがわしゃわしゃ出てきた。


それを片っ端から、公平は蜂の巣に、陽介は串刺しに、わたしは弧月で真っ二つにしながら忍田さんの指示に従って、一番近い基地の南部にいるB級合同部隊の元へ向かっている。





「お?あれ緑川じゃね?」

「え!駿くんどこ!」





陽介の視線を追うと、数百メートル先に茶色いわんこ発見!





「なまえ先輩!いずみん先輩によねやん輩も!」






んああ!かわゆす!!

こっちに走ってくる駿くんがしっぽ振ってるようにみえるのはわたしだけじゃないはず!!

そのままおねいさんのむねに飛び込んでおいで!!





「なに腕広げて待ち構えてんだよ!」

「え!殴った!?」





トリオン体だから痛くないけど、なぜか公平にゲンコツされたんですけど!!


…そーいや自重する約束的なことしたっけか?






「おーいバカップル。イチャついてんなよ。本部襲撃されてんぞ」

「え!やっぱ先輩たちつき合ってんの?」

「つき合ってねーよ!本部は太刀川さんが向かってから大丈夫だ」

「やっぱって!?本部は、まあ、忍田さんもいるし大丈夫でしょ」






陽介の言う通り、本部の周りをイルガーがフワフワしてる。しかも完全に自爆モード入ってるよあれ。


うわ!直撃した!けどこの前、鬼怒田さん中心に本部の外壁強度増し増しにしたから2発くらいなら耐えられる。たぶん。





「ところでさ、なまえ先輩ってオールラウンダーなの?」


「へ?」


「銃撃手だったよね?よねやん先輩とやってた時は」


「あー、そうさねぇ。わたしは割となんでも使えるよ!オールラウンダーなのかな?今は公平も陽介もいるし、攻撃手の方が動きやすいかなーって」






とか駿くんには答えてみたけど、たまたま持ってたのが弧月の入ってるホルダーだったからなんだよね!はは!


昨日メンテナンスとか組合せとか延々やってたから、射手用のとか銃撃手用のとか置いてきちゃったんだよね!あははは!


悠一の予知じゃあと1日はあったから、正直、油断してた!







次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ