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□きみをよぶ
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◎大規模侵攻B
各地に人型近界民が現れたと通信が入った!
それとほぼ同時に、南西部で交戦中の玉狛の避難援護の指令もあった。
今回のアフトクラトルの目的はどうやら逃げる術を持たないC級ちゃんたちらしく、特にちかちゃんが可愛さ余ってトリオン100倍な感じで、ちょう狙われている。
「つまり、わたしの出番である」
「えーでもなまえ先輩、すぐそこに危なそうな人型いるよ?」
「あいつが玉狛の方に行ったらやべーだろ」
「だな。おれ人型とやんの白チビ以来だわー。ぜって負けねぇ」
「そうだけども!!けどここ春秋さんや哲次くんとかいるし、なにより颯爽とちかちゃんを助けて『なまえ先輩、ありがとうございます!』キラキラ〜みたいな展開希望!!」
「柚宇さん柚宇さん、やつの情報ちょーだい。なまえと米屋と緑川の分も」
はい!完全なる無視!!
陽介も駿くんもあからさまに無視してくる!
わたしの抗議のようなものは届くことなく、柚宇ちゃんから送られてきた人型とB級合同部隊の交戦データに全員集中した。
ビルの2階あたりから見下ろす敵は、事前にレプリカ殿からお達しのあった『角つき』でボサボサ頭。あの人じゃない。
あ、でもあの黒マントに丸がかいてある感じは一緒だ。軍服みたいのも。
角は白いから黒トリガーでもない!セーフ!陽介が、黒じゃねーのかーとか残念がってっけどアホか!
そしてロン毛はアフトクラトルの改造トリガー使いで、アステロイド以上の威力の弾を散弾銃みたいに打てる、出水よろしく弾バカ族だ。
そんなミデン代表の弾バカは既に一戦交えてる春秋さんや哲くんから情報もらったりしてる。
その待ち時間で陽介が思い出したように聞いてきた。
「なまえ、おまえ遠征でこいつに会ったりしてねーの?」
「会ってないね!」
「アフトなんちゃらに行ったことは?」
ちっ。陽介のやつ普段はおバカさんな癖に、嫌なとこでグイグイくんだよね。
でもわたし嘘はつけないんだよなー。ぬう…。
「ぶっは!!おま、わかりやすいな〜」
「え!?」
突如吹き出した陽介はわたしの頭をつかんで、髪をぐしゃぐしゃしてきた。
いまわかりやすいっつった?この人??わたしのこと?
「ちょ、やめろ!ぐしゃぐしゃすんな!」
「わりーわりー。かわいいなー おまえ」
「は!?かわいいとか!照れるからやめ!」
「おれもなまえ先輩かわいーと思うよ!」
「駿くんまで!?おねいさんをからかうんじゃないよ!うれしいけ、ほむっ!?」
なんか公平に片手で顎ってか、ほっぺってか、つかまれたんだけど!?痛くないけど心理的に辛い!しゃべれない!!
「はーい じゃれてないで作戦たてますよー?遊びじゃないからねー」
「「イエッサー」」
出水からお怒りのオーラが出てるせいか陽介も駿くんもビシッと敬礼した。わたしも顎つかまれたまま敬礼した。
…いつも思うんだけど、何でわたしだけこんな目に!
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