小説部屋

□永遠の命〜戦いの真実の章〜
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ヘルフィス武国の近くの村で二人は遅い昼食を取っていた

「旅人でお金を持ってないなんて珍しいねぇ〜」

定食屋の若女将が不思議そうにいった

「ここまではどうやって食いつないできたんだい?」

二人の片割れの長髪の男が喋りだした

「その場その場で手伝いなどをして食事をさせて貰ったり、寝泊りさせて貰っていました」

セミロングのもう一人もお茶を飲んで一息ついてから

「たまに、武芸者として芸を見せたりして芸が見たければとめてくれ!ってやって何とかつないできたんですよ」

ハハハ、と笑いながらいった

「でも、あの時ほど大変だったのはなかったな。なぁ?」

と言い長髪の男に振った

「えぇ。本当ですよね、二人のうちどちらが強いか見せてくれ・・・でしたっけ?」

「二人で木刀で戦ったのかい?」

と冗談交じりでいってきた若女将に対して

「いえ、真剣でです」

これをすんなりと長髪の男が言った

「え!真剣でやりあったのかい!?大丈夫だったのかい?」

若女将もこんな風に返されるとは夢にも思っていなかったようで動揺していた

「大丈夫だったさ、現に二人してここで食事をいただいているんですから」

「厳密に言いますと、私の武器が駄目になったくらいですかね」

と言うと、長髪の男は腰に下げている武器を差し出した

差し出された武器は先端が折れてなくなっていた

「まさか折られるとは思いませんでしたよ」

若女将もポカンとしていたがプッと噴出して

「それならよかったじゃないかい、命があるだけめっけもんだよ!!」

といって長髪の男の背中をバシバシ叩いた

「でも、武器がないんじゃ旅が続けにくくなってしまいますね」

それを聞いた若女将が

「そういえば、お前さんたちはヘルフィス武国に行く用事はないかい?」

「最初にそこに向かう予定です」

若女将はそのことを聞いて

「よかった、なら大丈夫だね」

と言って、うんうんと頷いた

「そこにね、あたしの友人がいてね。ちょうど武器屋を経営しているのさ」

そういって店の奥に入っていき、少ししてから紙を持って来た

「これを持ってお行き。これを見せれば武器の一個や二個はくれるだろうからね」

その紙には『旅を続けるのに武器が必要だから好きな武器を上げて頂戴。今度サービスするからさ』

と書いてあった

「ありがとうございます!」

「あともう少ししたら半年に一度の武狂会ってのが開かれるから参加してみたら?」

若女将は武狂会がどんなものか説明してくれた

武狂会・・・・それはヘルフィス武国で二番目に権力を持つものが主催する大会

トーナメント式で戦い優勝者を決める

スポンサーとして国王イーグ・ジェルバント・ヘルフィスが賞金を出している

武器は刃のない武器か鞘にしまった武器で行なう

毎回大会には死者が一人は出ている

理由は勝負が決まった後に頭に血が上り鞘を外して切りかかる
当たり所が悪かった

などの情報をいただいた

「どうせ旅をするお金がないんだったら出てみたらどうだい?」

これを聞いて二人は顔を見合わせた

「そうですね・・・考えておきましょう」

「俺は出る、もしかしたら契約者がいるかもしれないからな」

「来る確立は高いですね・・・・そうしましょう」

若女将は出ることを聞いて

「よっしゃ!それじゃあ力が付くようにもっと食べていきな!あたしのおごりだよ!」

といってテーブルいっぱいに料理を持ってきた

「その代わり!死ぬんじゃないよ」

その表情はどことなくさびしげだった

「ありがとう、おかみさん」

「まぁ、死にゃしないけどね」

その後は周りにいた食事客も彼らを称えて昼間からお酒を飲んだ

夕方

「どうもありがとうございました」

「おかみさん、買ったらまた来るよ」

「気ぃつけていっといで!!」

と別れを告げて村を後にした
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