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□やくたたずの天秤
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闇に包まれた寺

貴方を見つけた

いつも通りのはずの貴方が

その闇と月光りのせいか

なぜか少し違って見えた

私はあやうく

この心を手放し

貴方へ捧げそうになった


私には大好きな人が

他にいるはずなのに


闇と月光りは

容赦なく心を惑わす


右に
大好きなはずのあの人の

左に
月光りに照らされた貴方

天秤はいっこうに傾かない

片方を自ら降ろさない限り
永遠に

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