サイクロ
□我々、学生生活中。
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[ 眼鏡 ]
玄人は授業中、眼鏡を掛けている。
普段から掛けてはどうか、と聞いてみたが
「邪魔だからヤダ」
と返された。
確かに視界が揺れるのは邪魔だし、擽ったそうだ。
だが、見えないと困るだろうと聞いてみた。
「別にそれ程困ってない」
と返された。
授業中の小さな文字だけ拾えれば、別に不自由はしないらしい。
「それになぁ、夏梅・・・」
玄人は俺が試しに掛けていた眼鏡をケースに終う。
そして・・・
唇に、温もりと、少しかさついた感触。
吃驚して瞬き。
玄人の唇が合わさる。
「せっかくキスするのに、慣れてねぇモンがあったら邪魔だろ?」
(まぁ・・たしかに・・・//)
『邪魔』とは、こういう意味だったらしい。
〜了〜
おまけ。
「コンタクトにはしないのか?」
「・・・・怖いからヤダ!!」
「レーザー治療は?」
「もっと怖ェじゃねーか!!」
玄人は目に何か入れるのをとても怖がっていた。