サイクロ
□『feline fang』
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夜空に月が輝く夜に届けられた真っ白でシンプルな封筒
開けてみると、中に入っている紙もシンプルな便箋で、光に透かし、裏返してもやはり何も書かれていない
新手の悪戯か嫌がらせかと文句を言いながら、くしゃりと丸めて捨てようとする
しかし、何故かその手はゴミ箱の上で固まった
目に見えない力で押さえつけられているかのような嫌な感覚だ
「あっ!!それって手紙でしょ?取り敢えずボスに見せてみたら?」
「そっ、そうだな」
呪縛から解かれ、慌ててボスの元へ駆けていく男
「だってその手紙、ボス宛なんだから」
何も書かれていないその手紙を読むことができるのは受け取るべき人物ただ一人
三匹の猫からターゲットへ送る最初で最後の贈り物
『5642194』
覚悟はできたか?
懺悔は終わった?
是が現実だ。受け入れろ
満月が輝く夜に手紙は届き、
朔の夜にその裁きは下される
猶予はたっぷりやっただろ?
もう時間切れだよ
お前は報いを受けるのさ
笑うのは黒と蒼と紅の瞳
彼等は殺し屋
名は『feline fang』