サイクロ

□これはこれで愛
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「友情と愛情って似てるよな」

「はっ?」

「いや、オイラ達、今はこんな関係だけどよー・・・やっぱ初めは普通に友情からだったろ?」

「いや、違うぞ」

「えっ!?」

「拙者の初めは養護欲と承認欲と自立欲だ」

「欲望の塊だな、オマエ」

「喧しい」

「んで、何で欲なんだよ?」

「お前、出逢った時凄く弱ってたろ?」

「おう。かなり弱ってたな」

「だから助けてやりたい、守ってやりたいって思ったんだ」

「・・・フーン///」

「・・・それと同時に『コイツをちゃんと助けられたらグレイやゴッチ認められるかもしれない』とも思った」

「子供は一番立場が下だったからな〜。アイツ等過保護だったし」

「実際、お前が来るまでずーっと子供扱いだ」

「あー・・・まぁ・・そいつはちょっとな」

「いい加減、子供扱いにはうんざりしてたからな、良い機会だと思った」

「確かに」

「そして猫狩り、烏の襲撃を経て自立したいと思いだした」

「オス猫の仲間入りってことか」

「キッドが全部の切っ掛けだったがな」

「ハッハッハッ、感謝しろ」



ギリギリギリギリ・・・

ブーメランと剣の迫り合い



「それで、結局、いつ・・・気付いたんだ、よッ!?」

「・・・何にだッ!?」

「こういう、気持ちに・・・だっ・・・つってんだろっ!!」

「貴様に・・・右目を・・・抉られてからだぁっ!!」

「ハッ!!何だよ・・・随分、遅ぇじゃねえかっ!!」

「再会した、後の・・・貴様との在り方を・・・考えている時に、気付いたわぁっ!!」

「逢えない時間が、愛を育んだってか?!マタタビよぅ!!」

「チィッ!!悔しいが、貴様の言う通りだ・・・こんの阿呆キッドがぁー!!」


「「死ねぇーッ!!」」

キーーンッ!!

「お前が死ねぇーッ!!」

ガッキーンッ!!

「貴様が死ねぇーッ!!」

ガッシャーンッ!!


「「くたばれぇーーッッ!!」」

ドッカーーーンッッ!!!!






「ねぇ剛くん・・・アレ止めなくていいのかな?」

「アレはアレでコミュニケーション・・・というか、ただの惚気合いの痴話喧嘩だよミーくん」

「そっか。じゃあ止めなくてもいいね」





一人と一匹がとばっちりを受けるまで、あと10秒



ミーくんが痴話喧嘩に乱入するまで、あと15秒



新築ピカピカのフジイ家が跡形もなく倒壊するまで、あと30秒








黒猫と虎猫が幸せそうに笑い合うまで、あと5秒




おわり








いや、仕事中にね

クロマタ思考でいくと

この意地っ張りな二匹は

愛というか何というか

そういう自分の気持ちに

いつ頃気付くのかな〜とか考えてみたのです

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