サイクロ

□各1ページで終わる堕文。
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酷く、瞼が重い





頭が、ぼうっとして、考えが纏まらない











明日の朝飯は?、とか




洗濯機は回したか?、とか




課題は鞄に入れたか?、とか








確認したいのは山々だが…







駄目だ






正直




今は




それどころじゃない












無性に怠い




体から力が抜けて





ボトッ…










…手から何かが落ちたらしい…

















ポンポンッ





『夏梅…こんなトコで寝てると風邪引くぞ?』








あぁ…玄人か…







…眠すぎて動けないんだ






『相変わらずだよな。お前、昔っから夜更かし苦手だったし〜』




…悪かったな…爺臭くて…




死んだ爺さんの生活パターンなんだよ








『本、テーブルの上に置いたからな?じゃあ、いくぞ?』






手足が、体が、宙に浮いた






何か掴まるモノはないかと手を伸ばすと





『ほら、遠慮なく握ってな』






何かの布を掴まされた





玄人の寝間着だ





言葉通り握り締めて





ついでに寄りかかる





うん、温かい





心地良い、リズム


























『ほら』


布団(昼間、俺が干したやつ)に降ろされて






掛け布団(昼間、以下略)を掛けられた






玄人は何処かと手をパタパタすると







すぐ側に、優しい温もりを見つけた






『おやすみ、夏梅』




そう言って髪を撫でられる






それにつられて



意識がふわふわする









『おやすみ、玄人』




俺も呟いたが





この声は




ちゃんと届いただろうか





『睡魔vs俺→勝者 睡魔!!』
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