それいけSSS

多分ゲン孫
◆no title 

「緑茶と紅茶、どっちがいいですし?」

そう訊ねてくる祠堂の顔は年相応のもので、俺は緑茶を選択した。

鼻歌交じりに準備に勤しむ祠堂の指先が洗練された動きを始める。

いつもは布に隠されている白い手が、
いつもはカードを巧みに操る細い指が、
どうしてか艶めかしく見えてしまって。

「? 何ですし?」

指先をやんわり握ればキョトンとした顔の祠堂。

そのまま恭しく口付ければ、その顔は真っ赤に染まり。

「あぁ、いつもの祠堂孫六だな」

「お前…意味が分からないですし!?」

指先だけが先走って大人になっているのでは、と焦ってしまったのだ。

2015/05/24(Sun) 06:50

[コメント書込]

[戻る]
[TOPへ]
[カスタマイズ]



©フォレストページ