flirt

□温かさを感じて
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「あっちぃ〜…機械鎧が溶けそう……」
 
 ただいまの気温、38度。
 暑いなんてものではない。特に、機械鎧を身につけている兄さんは火傷しそうなくらい暑い筈だ。
 
「アルはすっげえ、暑そうだな…」
 
「何言ってんだよ、兄さん。僕は暑さを感じないみたい体だよ?」
 
「あ、そうだっけ…。でも暑そうに見えてしょうがないんだよなー」
 
 自分のことより、僕を気遣ってくれる優しさを持つ兄さんが僕は好きなんだ。
 だから僕は背中を押してあげる。
 
「ほら、頑張って兄さん。司令部のクーラーが待っているよ」
 
「そうだ!クーラーがあるんだ!暑さにうなだれている場合じゃねえな!よっしゃあ、走るぞアル!」
 
 クーラーってだけで、暑さを忘れてしまう兄さんを見て苦笑せずにはいられなかった。
 
………が、現実はそうも甘くはないらしい。
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