■愛の果て■

□繋ぎ止めて
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すっかりご無沙汰になっていた非番が半年振りに取れた。
生活用品を買い溜めた後、財布の中はまだ余裕があるので呉服店へと、足を運んだ。
私は此処のブランドが密かに気に入っていた。
無駄な飾りが無いところなんて特に。

だけど、今日に限ってしっくり来るものが無く、とりあえず店内を一周して店を後にした。

「ホークアイ中尉」
後ろから、突然話し掛けられ反射的に振り向くとそこには、直属の上司の姿が。
「……大佐」
そういえば、彼は今日遅番だった。
まさか、街中で偶然出くわすなんて。
「随分、買い込んだようだね。それじゃ重いだろう?」
「いえ、これぐらい……あっ……」
言い終わらないうちに荷物全部を取られた。
送って行く、とだけ言いさっさと私の自宅がある方向に行ってしまった。
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