■愛の果て■

□頼りにしてくれ
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「以上が本日の予定になります。大佐」
「ああ、分かった」
私が承諾すると、彼女は何故か躊躇いの様子を見せた。
「あの、申し訳ないのですが……午後どうしても外せない用事がありますので、午後になりましたら帰らせて頂きたいのですが」
「構わん」
この時、彼女は哀しそうな表情を見せた。その意味を知らなかった私は後々になって知ることになるのだ……。



───────
午後になり、彼女が帰宅してから私は仕事が簡単に手が付かなくなった。
胸騒ぎがする。
彼女を帰してしまって良かったのかと、思い込む。
あの時の彼女の表情が妙に引っ掛かる。
何年もの付き合いで私は充分に知っている。
あれは、何かを思い詰めてそうな顔だった。
いても立っても居られない私は、足早に軍を出た。
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