■愛の果て W■

□我慢できない
2ページ/6ページ



定時時刻1時間ほど前。
ある有名な錬金術師の兄弟のせいで破損した市街を復旧のため、ほとんどの者がそちらに赴く。
兄弟が誰か知っていた者は、定時が帰れることを期待していただけに、文句の堪えた者など一人もいなかった。

本来なら私も行かなくてはならないのだが大佐は私に自分の家で待っていて欲しいらしく、そうそうに帰らせた。



お言葉に甘え、早く帰宅させて頂いた私は眠気に負け、大佐のベッドに倒れ込んでゆく。
半ば同棲状態になっている私達は、このベッドで一緒に眠ることも不思議ではなく、何をするかなんて分かり切っていることで。

実際、任務が多忙になる前は二人で触れ合ったり、同じ時間を所有していた。
このベッドに倒れた途端、走馬灯のようにその時間が思い出される。
思い出しただけで、体がビクッと動く。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ