flirt

□温かさを感じて
2ページ/4ページ

 
 司令部のクーラーは、確かに涼しかったみたい。だけど、その涼しさは北極を越えるような寒さに達していたらしい。
 
「暑いよりは良いんだが…寒い」
 
 へっくしゅん!と大きなくしゃみをしながら、兄さんは大佐のいる執務室へと向かった。
 きっと、クーラーの文句も言うんだろうなぁ。全くしょうがないよ兄さんは。
 
 「アルフォンス君」
 
 僕はどうしてようかな、と考えていたら後ろからホークアイ中尉が声を掛けて来た。中尉もクーラーで寒いのか、コートを着ている。
 
「あっ、こんにちは中尉」
 
「こんにちは、アルフォンス君」
 
柔らかく微笑み掛けて来る中尉に、鎧の身ながらも赤面しそう。
 
「お仕事は良いんですか?」
 
「ええ、一段落ついたところなの」
 
「じゃあ、その…休憩がてら二人でお話でも……」
 
「良いわね、お土産話を聞かせて欲しいわ」
 
 疲れている筈なのに中尉は快く受け入れてくれた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ