flirt
□温かさを感じて
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司令部のクーラーは、確かに涼しかったみたい。だけど、その涼しさは北極を越えるような寒さに達していたらしい。
「暑いよりは良いんだが…寒い」
へっくしゅん!と大きなくしゃみをしながら、兄さんは大佐のいる執務室へと向かった。
きっと、クーラーの文句も言うんだろうなぁ。全くしょうがないよ兄さんは。
「アルフォンス君」
僕はどうしてようかな、と考えていたら後ろからホークアイ中尉が声を掛けて来た。中尉もクーラーで寒いのか、コートを着ている。
「あっ、こんにちは中尉」
「こんにちは、アルフォンス君」
柔らかく微笑み掛けて来る中尉に、鎧の身ながらも赤面しそう。
「お仕事は良いんですか?」
「ええ、一段落ついたところなの」
「じゃあ、その…休憩がてら二人でお話でも……」
「良いわね、お土産話を聞かせて欲しいわ」
疲れている筈なのに中尉は快く受け入れてくれた。