■愛の果て U■
□豆まき・エド豆
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「節分?」
視察を終え、司令部を訪れたエルリック兄弟もとい、兄のエドワードがリザの言葉を繰り返した。
「そうなの。東の島国の風習でね、不幸をもたらす鬼を豆で退治するんですって。そして代わりに福を呼び寄せるの」
「ま、豆……」
豆と言う単語には一方的にキレるエドワードだが、リザから発せられた豆だけには敵わない。ずっと以前にリザが何気なく「豆が食べたい」と呟いたリザ。自分のことを言われた訳でもないのに、エドワードはリザに飛び掛かろうとした。
しかし、それよりも早くリザの銃がエドワードの機械鎧を駄目にした。
右手・左足、共にボロボロ。
当然、ウィンリィにも半殺しにされた。
だから、それ以来リザには頭が上がらない。
「あら、珍しいわね。豆に反応しないなんて」
「あ、ほら、俺のことを言われた訳じゃないしー…ι」
「どうしちゃったの兄さん!?」