Spell Cogs

□第六話 リームの森
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「あぁ、そうだ。お前らも知ってるだろう、あの魔物が起こした事件…」
「……あぁ」

軽く返事をすると、シウダードはベッドに座り込み、剣の手入れを始めた。昨日から一度も使っていない剣を、やたら丁寧に磨く。そんな彼をティエラは横目で見ていたが、思い出したように兵士に視線を戻した。

「…で、それを私たちに依頼するってことは…」
「はい、奴ら…今まで我々が見たことのない技を持っているとの報告を受けています。恐らく、魔法による攻撃だと思います。」
「ビューラね…解ったわ。準備が出来次第、すぐ出発しましょう」

ティエラの言葉に、シウダードの肩に一瞬力が入った。が、フィエスタ以外はその事に気付かなかった。いつもの様に明るい彼の態度に、誰も疑問を持たなかった。



+++



準備を済ませてウェストン城に行くと、4人の為に城の船が用意されていた。いくら急だからと言っても、イグダスの樹海を越えるのはあまりにも危険だから、少しでも早く到着するようにと王が用意してくれたらしい。ウェストン王国で最速を誇る船、波に逆らって激しく揺れるのは玉に瑕だが、お陰で半日程でリームに帰ってこれた。



そして―――
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