Spell Cogs

□第八話 特有の才能
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漸くハルワに到着することが出来た。

随分回り道をしてしまった。そのお陰で大きな謎が一つ増えてしまったが、兎に角ハルワまで来れば、当初の目的であるカッサラまで、後少しだ。

流石城塞都市、とでも言うべきか。
船から降りて最初に拝めるのは石造りの高い壁と、そこに等間隔で開けられた、見張りに使うであろう窓。それとこの国を象徴する旗だけだ。港からその壁の向こう側に入る門のところにも兵士がいて、簡単に侵入など許さない。

「うわぁー……。高いっ!凄いね」
「大人しくしてろよ」
「ま、大人しくしてたら何もされないよ。ただの旅人だし」

ノースは城壁を見上げて言う。晴れた今日は、一層映えて見える石造りの壁を前にした彼女に、フィエスタは先に釘を打っておいた。
シウダードは隣の王女と、幼なじみ達を見て行こうか、と声をかけた。門に向かって歩き出す彼の後にティエラ、ノース、フィエスタもついて歩く。
下船した人々の列に続き、警備されている門に着くまでの間にティエラは帽子を深く被り直した。


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