Spell Cogs

□第九話 古城探索
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フィエスタが目を開けると、まず最初に飛び込んで来たのは見慣れない天井だった。
蜘蛛の巣が張っていたり、薄汚れていたりしているところを見ていると、随分長い間放置されていたということが解る。
ぼんやりとそれを眺めていると、だんだんと記憶が鮮明になっていく。

確か、ハルワの王に任務を言い渡されて……古城に来て……。
部屋を見つけて、それで、何だか急に苦しく……。

そこまで思い出して、フィエスタはゆっくりと首だけを動かして辺りの様子を窺う。
自分の左隣には、手入れの行き届いていない何か。それが、ソファの背もたれの部分だと気づくのに時間はかからなかった。そしてやけに狭苦しい右隣へと視線を移した途端、フィエスタの心臓は跳ね上がる。


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