ARMORED PANIC ON STAGE

□PHASE-02
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そこは薄暗い部屋だった。
周りはペンキを塗りたくったように赤い。
その中心に男が一人いた。暗くてよくわからないが男は笑っているように見えた。

「やりすぎだな。また面倒なことを」
男の後ろから声が聞こえる。
男の声だが、響くような静かな声だ。
その男は深いため息をつき、男へと近寄る。
「見つけたのか」
「あぁ…しかし、面倒な者がついている…」
「護衛か」
「レイヴンだ」
「ふむ」
「そちらの獲物もいるようだな」
男はニタリと笑い、もう一人の男に向く。
「楽しくなりそうじゃないか」
「俺は面倒が嫌いなんだ。早めに終わらせたい」
男はため息をつき、部屋を出た。
壁には二枚の写真があり、二人の少女がそれには写し出されていた……。




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「ハロー!」
亜沙のいつもの挨拶をいつものように鞄で回避する。
「おはようございます」
いつものようにカレハとツボミと共にいつものように学校へと向かう。


「はぁぁぁぁぁ…」
いつものように…。

「はぁぁぁぁぁ…」
朝からどんよりとしたオーラを放つリーウェンがそこにいた。

「リ、リーさん?」
「これはまた…凄いため息だね」
心配そうに駆け寄る霞にリーウェンは片手でそれを静止させる。
「大丈夫…大丈夫だから」
「涙が出そうな顔で言うな」
「寝不足だよ…寝不足」
そのままふらりと学校へと向かったのであった。




「何…?これ」
「ほう、壮観だな」
学校へ着くや否や校庭には男、男、男が何かを囲むように並んでいる。
リーウェンは校門の壁を蹴り登る。
「土見先輩じゃね?」
「どんな状況だ」
「あー、とりあえず危ない?」
「疑問系なんですか?」
「疑問系なんだ…」
「俺一人で十分。ってか一人でやらせろ」

塀からひょいと何事もないように降り、木刀を取り出すリーウェン。
「好きにしろ…」
桜花が言うより早く、リーウェンは動き出す。
次々と薙飛ばされていく集団。

「……ねぇ桜ちゃん」
「なんだ」
「人って飛べるんだね…」
どこか遠くを見るように亜沙は桜花へと話かけた。

「やり過ぎだろう…あれは」
ただ、そう言うしかなかった。
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