ARMORED PANIC ON STAGE

□PHESE-01
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「お兄ちゃん、おはよー」
「あぁ…」
パジャマのまま部屋を出た霞はリビングへと入る。
兄と呼ばれた青年は端正な顔をしており、今では少し珍しく黒髪である。
白髪がちらほら見え隠れしている。

「――この襲撃に対するクレスト側の回答は『我々は関係していない』とミラージュの発電施設襲撃には無関係と返しており、ミラージュ側は『誠に遺憾な事だ』と怒りを露にしています…」

「お兄ちゃん」
「どうした」
青年はTVのニュースを見ながら返事をする。

「これ、お兄ちゃんでしょ?」
「……」

沈黙。

「やっぱり、お兄ちゃんは強いなぁ」
普通なら叱咤するだろうが、この二人は少し変わっていた。

『レイヴン』

二人は幼い頃、両親を亡くしており、生活保護すら貰えない中で青年が選んだ道。

鴉として生きること

人の道を閉ざすことを…


「これぐら
いなら、霞にも出来る」
「でもでも、ランカー一人潰したんでしょ?」
「…誰から聞いた」
「エアリスちゃん」
青年は軽くため息をつき再びTVを見始めた。


†‡†‡†‡†‡†‡†


「準備は出来たか?」
「うん!」
玄関先にいる二人は制服に身を包んでおり、青年は学ラン、霞は白を基調とした襟が赤いセーラー服を着ている。

「あ〜ぁ、早くリーさんと同じ学校に通いたいなぁ〜…」
「……」
青年はしかめっ面をして前を見ている。
「あっ、お兄ちゃん心配してくれてる♪」
青年の顔を覗きこみクスクス、と笑う。
「あっ…」
「どうした」
「えっ?
うぅん、なんでもないよ〜」
霞は後ろに目を向けたがそれは一瞬のことですぐに前を見た。

青年は背後から少しづつ『何か』は迫っている事に気付かずにいる。
それは早足に近づき、無防備な瞬間を狙い――。
『何か』は声を張り上げ手を振りかぶり青年の背中へと――!
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