□零の上空
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目の前で君がいなくなった午前5時
散らばった彼女を探す旅に出る
骨張った身体は誰かを傷つけたかい
真夏にだけ笑える魔法が解けたみたいだ

「同じようなドレスを纏った私を愛さないで」
濁って見えなくても必ず迎えに来るよ

八月の花は戦闘機の影
君が犯した罪は僕の盾になる
八月の花は空を知らないまま
強過ぎる風の隙間に僅かな光を見た


いつか嫌われて失うのならそれでいい
いつか愛した手の温かさも忘れるだろう

笑って泣いて許されるような人生なんて知らない
多面体に塗った色は全部白か黒か

ヘロイドにまみれた亡骸を抱いて
鉄格子は眠れる森の代わりに
満たされない渦の中で呼ぶ声は
いつだって酷く甘い名前のように消えなかった


「同じようなドレスを纏った私を愛さないで」
濁って見えなくても確かに此処にいるよ

八月の花は戦闘機の影
君が犯した罪は僕の盾になる
八月の花は空を知らないまま
強過ぎる風の隙間に僅かな光を見た

ヘロイドにまみれた君は失敗で
零れ落ちてゆく涙は枯れないけど
八月の花は空を知らないまま
強い風の中腐っても真っ直ぐに笑っていた

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