天使ですよ
□天使ですよ*プロローグ*
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「おめでとうございます!
貴方は年代別不運率が平均を下回った為、
本日より
天使が守護に憑く事になりました」
出会いは薮から棒。
言葉は寝耳に水。
真夜中、午前零時。
あたしの15歳はこうして始まった。
自らを「天使」と名乗るスーツ着用、着ぐるみパンダの頭部を被った男に部屋を侵されて……
突然ですが、貴方は天使を信じますか?
ぶっちゃけあたし、桂木 春(カツラギ シュン)は信じてない人だ。
あの日……あたしの節目と言える15歳の誕生日までは。
でも、仕方ない。
そいつは、
天使は、あたしの目の前に現れてしまったのだ。
冒頭の失礼千万な挨拶引っ提げて。
「ちょ、ちょっと待って!アンタ何者!? 何で平然と人ん家に窓から入り込むの!?」
当然あたしは突然の怪しげな訪問者に、武器にもならない卓上電気を構えてパンダ男に応戦した。
というか、変質者だとしか思えなかったのだ。
「いやいや、そう警戒しないで。危害は加えないから」
パンダは‘ホラ、何も持ってないよぉ’と両の手をヒラヒラと見せてあたしに無害を主張。
「信じられる訳ないでしょ!?」
パンダで、不法侵入で、自称天使。
その時のあたしには、このパンダは危ない電波系としか認識されなかったのだ。