天使ですよ
□02「ちがう、誉めてるの」
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Q.誰かを殺したいと思った事がある。
A.いいえ
Q.衝動を紛らわすように何かの殺人シーンで気持を誤魔化したりする。
A.いいえ
Q.貴方は人を殺せるような人間ですか?
A.いいえいいえいいえ!
あたしは至って普通だ。
至って普通の昨日無事高校の入学式を済ませた女子高生だ。
絶対、まかり間違っても、あたしは今後の将来殺人鬼になる気は毛頭ない!
それなのに、現実(?)は残酷にも突き付けられた。
「貴方は地獄上がりの元殺人鬼。転生処理が不完全な為、何かの拍子に殺人鬼になりうる因子がございます」
あたし付きの監察官、着ぐるみ被った天使のタローは言いました。
あたしが殺人鬼になりうる?
そんな事があってたまるか!
って思ったけど、そうとも言えなくなってきた。
あたし、天使のタローを殺したい衝動に駆られて包丁を突き付けてしまったのだ。
ありえない尋常じゃない。
だけどあたしはあたしの意識とは別の意思に従うように包丁を握った。
血を、求めていた。
すんでの所で私はタローを殺さずに済んだけど、彼はそんなあたしにこう言ったのだ。
「君が殺人鬼になりうると判断した場合、極楽庁は貴方の魂を即刻回収致します」
つまり、あたしの命には見えない導火線が繋がっているという事になる。
信じてくれますか?
あたしの話。
天使と前世と殺人鬼。
これが今の現状です。