恋愛小説集
□真夏の太陽
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お隣りに住む信吾は、あたしの幼馴染みで、同じ高校に通う一年後輩の野球部員だ。
それから悩みなんてないのが悩みみたいな感じの代表で、底抜けに前向きで明るくて、猿みたいに走り回り、口を開けば男友達と野球の話。時々下ネタ談義。
中学生の延長で高校生になったみたいな奴。
そして、あたしは不覚にもそんなお子様が好きな女。
どうしてあたしは、あたしの想いに気付きもしてないお子様なんか好きなんだろう。
理屈じゃなくて好きなんだ。
だって、いつだって太陽みたいな明るい笑顔を目線で追ってしまうもの――……
『真夏の太陽』