恋愛小説集
□保健室のたくてぃくす
1ページ/6ページ
多分、俺は馬鹿なんだ。
薄いカーテンの向こうで眠っているだろうソイツのベッドを見て、俺はこの気持を反芻させる。
再確認完了。
うん、やっぱり俺は馬鹿だ。
因みに。
此処は保健室。
そんで俺が保健医。
医師免許持ってんだけどね、実家開業医だから坊ちゃんなんだけどね、アレ、この学校の理事と俺のパパ(笑)が懇意らしくて。
そ、息子はしがない保健医として身売りされた訳よ。
でも、親の七光?
給料いいの。
やる気ないけどお金好きだから。
所詮、汚い大人だから。
ちゃっかり高校の保健医よ、今。
仕事にやり甲斐ないけどね、飽きたらやめようとか思ったけどね。
ほら、俺馬鹿だから。
生徒に恋しちゃったから。
やめるにやめらんなくなっちゃったよ。
どうしよ、俺。
『保健室のたくてぃくす』