恋愛小説集

□保健室のたくてぃくす
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 多分、俺は馬鹿なんだ。





 薄いカーテンの向こうで眠っているだろうソイツのベッドを見て、俺はこの気持を反芻させる。






 再確認完了。




 うん、やっぱり俺は馬鹿だ。



 因みに。


 此処は保健室。

 そんで俺が保健医。


 医師免許持ってんだけどね、実家開業医だから坊ちゃんなんだけどね、アレ、この学校の理事と俺のパパ(笑)が懇意らしくて。


 そ、息子はしがない保健医として身売りされた訳よ。


 でも、親の七光?


 給料いいの。


 やる気ないけどお金好きだから。


 所詮、汚い大人だから。


 ちゃっかり高校の保健医よ、今。


 仕事にやり甲斐ないけどね、飽きたらやめようとか思ったけどね。

 ほら、俺馬鹿だから。

 生徒に恋しちゃったから。


 やめるにやめらんなくなっちゃったよ。


 どうしよ、俺。









『保健室のたくてぃくす』














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