anniversary
□不思議の国の雛菊
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昔々というか、時代設定がよく分からないけど、女の子がエプロンドレス着て、かぼちゃパンツを履いてるような世界でのお話です。
不思議の国の雛菊
久遠さん家の雛菊さんは、最近の年頃の女の子の中では平均より家事が好きな女の子でした。
今日も休日の午後だからと、お庭でアフタヌーンティーを頂きながら自慢の手製のプリンをデザートに読書でもしようかなといそいそと準備をしています。
さて、最後に熱々のティーポットを運んで庭に出た時でした。テーブルの影から何やら怪しげな影がピョコンと動いているではないですか。
一体アレは何だろう。
好奇心旺盛な雛菊はこっそり影を覗き込みました。するとアラびっくり。
「コスプレ少年! じゃなかった、プリン泥棒っ」
思わず声を上げる雛菊嬢。それに驚くは、白く長い耳をピンと立たせたウサ耳コスプレ少年……いやいや、白兎の男の子。
白兎少年は先にお庭に出していた雛菊手作りのプリンを盗み食べていたのです!
「…………っ!」
盗み食いがバレたのでばつが悪いのか、雛菊の声に驚いたのか少年はスワロウテイルを翻して一目散に逃げ去りました。