珍しいものを目にした。
それはあのイースト高校のスーパースター、トロイボルトンが日本から来たという転校生に学校案内をしているのだ。
普段の彼なら絶対にしない事なのにどうしてなんだろう?
気になり僕の隣でその転校生に嫉妬している姉さんにダーバス先生に呼び出されたと嘘をつき二人の後を追ってみる事にした。
「あっ」
後をつけていると、しばらくしてトロイが声をあげ急に立ち止まった。
僕は慌てて空き教室に飛び込み顔だけ廊下に出し、二人の様子を伺った。
そこにはトロイが爽やかな笑みを浮かべ
「今度バスケの練習見に来なよ!」
と転校生を誘っている彼の姿が目に映ったと同時に、口許に拳をやりクスリと笑う転校生の横顔が見えて、抱いていた疑問が晴れた。
すごく可愛い。
そして人形の様に綺麗な子だった。
それならばトロイボルトンが必死になるのがわかる。
恋敵はスーパースター
そして不覚にも僕は
あの子に恋をしてしまった。
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