「なんでかな‥」
ふとした時に思考の端に現れるあなた。
もう忘れたくて考えない様にすればするほど、あなたの事を思い出す。
後悔するなら自分から別れの言葉なんて、口に出すんじゃなかった。
思考の端のあなたは、今でも私に笑顔を向けてくれるから、
別れる前まで時間が巻き戻ればいいなんて思ってしまう。
「‥‥戻りたい」
ふと漏れた言葉。
「俺も戻りたいよ」
返ってくるはずの無い独り言に、知っている声が返事をする。
振り返ればそこには
「‥‥湊」
いつも願っていたあなたの姿。
「‥ずっと君がそう思うのを待ってた」
「だって‥私が勝手に湊から離れたのに‥」
「帰ってきたいと思うのを待ってた。戻ってきてほしい」
いつも思考に出てくる様な笑顔で、手を差し伸べるあなた。
私が持ってるものは何でも出すからこんな私をもう一度受け入れて。
なんて思う私はなんて浅はかで自分勝手で最低なんだろう。
「君が、じゃない。僕には君が必要なんだ」