小説【咎狗】

□構成要素
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それは例え話ではなく本当のことで。



俺の世界の全ては君でできている。



…喜び、悲しみ、怒り、苦しみ

俺の感情の全てが君に直結してるんだ。



君に触れられれば嬉しくて、
君がいないと悲しくて、
君が他の誰かと一緒にいると苦しくて、
君が痛いと自分も痛くて…



君の全てが俺の体を構成する要素。


だから君に否定されれば俺はきっと…。










きっかけは些細なことだった。
アキラが怪我を負ってホテルに戻ってきて…
心配で駆け寄って話を聞くと、どうやらイグラに挑まれタグを取ったらしい。


だから、俺は笑った。

複雑な思いではあったがアキラがようやくイル・レへ挑戦するための一歩を踏み出せたのだから。


なのに…


「俺が死ねと言えばお前死ぬのか」

…どうしてこんなことになったのだろう。



「いい加減にしろよ」



やめろ、それ以上言わないで。

拒絶しないで。

俺を見捨てないで。







「お前見てるとイライラする」





はっきりとした拒絶の意志。

それは同時に俺の世界の崩壊を意味していた…

いやだ、置いていかないで、アキラ。

俺の全ては君でできていて、君が居なくなったら
俺は…俺は…






壊れてしまう
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