小説【咎狗】

□パソコンをやろう
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「ケイスケ、アキラ。お前らパソコン要らねーか?」

「パソコンですか?そりゃあれば便利ですし、欲しいですけど…」

はっきり言ってそんな高価なものを買えるほど家庭は豊かではない。

今月の家賃の支払いですら、ヒーヒーだ。


「いやさ、うち新しいのに買い変えたから、古いパソコンの処分に困っててよぉ」

むしろただで引き取って貰えたらこちらも楽なんだが…

そんな話ならこちらも万々歳で。
二つ返事で承諾した俺たちは、普通に働いていたら決して手に入らなかっただろう至高の代物を、タダで貰うこととなった。


まぁ俺は、あまりパソコンには興味は無かったので、専ら設定やらめんどくさいことはケイスケに任せた。


…パソコンが来たその日、深夜遅くまでカチカチという音が止むことはなかった。






「で、ケイスケ。上手く設定とかはできたのか?」
「うん、基本的な環境は整えたからインターネットにも繋がるよ!」
「そうか、お前ネットやりたがってたもんな。良かったな繋がって。」

どうやら一晩中設定をしていたらしく、ケイスケの目には隈ができていた。

「アキラはネットやらないの?」
「…面倒だから俺はいいよ」

というか、パソコンに触ること自体が難しそうで…出来れば関わりたく無かった。

「えっー、やると面白いよ?」

ブログでしょ、ホームページでしょ?それにショッピングサイトやら…と続けるケイスケ。

「…俺はいいからお前が好きなように使って楽しめばいい」

うーん。面白いのになぁとまだブツブツ言っている。
すまない…お前が言っている単語が俺には理解できない。


…その日の職場で俺はブログの意味を必死で考えた。
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