小説【咎狗】

□子育てしましょ☆
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トシマから脱出して、ケイスケとアキラが一緒に暮らすようになって早1年。

なんだかんで仲良くやっているようで…



「…あっ…あ…ケイスケッ…もう…」

「いいよ、俺ももうイきそうだから…一緒に」

「あぁっ駄目、ケイスケ…はぁ…中はダメ…ぁん!!」

「っごめん…俺、アキラの中でイきたい…っ!!」

「あ…ン、馬鹿スケ…!!」



こうして抱き合うことはもはや日課となり、幸せな日々を過ごしていた。



「…っ、もう朝か?」

カーテンからこぼれる日の光で目が覚めるアキラ。昨夜の行為の後、そのままケイスケと二人、向かい合う形のまま眠ってしまったようで…腰が痛い。



「コイツはまだ寝てるし」


アキラに抱きつきながら幸せそうに眠っているケイスケ。その寝顔を見て、あぁ、コイツと暮らしてるんだと実感が湧く。


トシマでの告白。初めて繋がった日…色々あったけど、こうして二人で暮らすことを、アキラは少なからず幸せだと思っていた。

あんなに激しく抱かれた後でさえケイスケが自分をそんなにも求めてくれているのだと思えるから…ついつい、甘やかして許してしまう。

「俺もケイスケの馬鹿が移ったか…っ!?」


ケイスケの寝顔を見つつ、そう思っていると布団の中で自分に触れているケイスケが未だ敏感だった胸を触ってくる。

「っ!!ケイスケ、お前起きているのか!?」




前言撤回というばかりにアキラは苛立ちながら、布団を思い切り剥ぎ取った。
しかし、そこに広がる光景は自分の予想とは違っていた。




「えっ…なんだよ、これ…」

てっきり自分に悪戯しているのはケイスケの手だと思った。

しかし、ケイスケの手は未だに自分に抱きついたままで…別の手がアキラの胸を触っていた。


「だぁー?」


アキラの視線に気づいたのか、その手の持ち主はこちらを見上げてきた。まるで以前からずっとそこにいたかのように…

「いやいや待て待て。そんなことある訳ない」

今の状況が理解できなくて、アキラは珍しく狼狽した。

「こんな布団の中に赤ん坊がいるはずがない」



そう、剥ぎ取った布団の下にはアキラとケイスケの間に挟まれる形で小さな赤ん坊がいた。


「だぁだぁ!!」


1歳にも満たなそうなピンクのベビー服に包まれた赤ん坊は、構って欲しいのかアキラに向かって手を伸ばしてきた。

「えっ?」

アキラの頬に触れてくれる手の感触は柔らかくて…これが夢ではないことを示していた。


(夢じゃない…ということはこれは…)


思考がまとまっていなかった頭はここでようやく一つの結論に至った。


「ケイスケーーーっ!!!!お前、どこで誘拐してきた!!」


スヤスヤと眠っていたケイスケを文字通りアキラは叩き起こしたのだった。
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