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□大事な妹
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「沙都子」

「……はい?」

「悟史くんは、きっともうすぐ戻ってきます」

「……?」

「……悟史くんが、沙都子のせいでいなくなると思いますか?」

「だって私が頼ってばかりだった……だから、」

「悟史くんはそんなことで逃げるような人じゃありません」

「………っ」

「だから、悟史くんは、ちょっと遠くに、出掛けてるだけなんです」

「……そう、ですわね」

「……そんな暗い顔、しないで下さい」

「ありがとうございますわ」

沙都子の声は震えていて。

いつもは気丈に振る舞ってはいるが……本当は脆いんだって確認させられる。

だから、私が支えてあげなくちゃいけない。

私の心を支えてくれたのは、沙都子だから。

「、沙都子、私は、笑ってる沙都子が好きです」

それはきっと悟史くんも同じ。

「大事な妹の泣きそうな顔なんて見たくありませんから」

そう言うと、沙都子は俯いていた顔をあげて、少し無理してはいるが、いつもの無邪気な笑顔を見せた。



「ありがとう、大好きですわ、……ねーねー!!」



その時初めて、沙都子は恥ずかしがらずにはっきりと、ねーねーと呼んでくれた。







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