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□ひめはじめ*
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人二人が泊まるには広すぎる、そして家具も二泊するには無駄に豪華。

一言で言うならばいわゆる高級ホテルの最高級スイートルーム。

そんな部屋の一室、ベッドルームに僕はいた。

最初の頃はディーノの借りるこのだだっ広いホテルの一室に落ち着かない気分だった僕も、回数を重ねるうちに慣れてきた。

ちなみに今はベッドの上。

12月31日。

あと1時間足らずで新年を迎えると言う時間帯。

「んぅ………」

「恭弥ぁ……もう少しだから、もう1時間もねぇから我慢しろって」

ディーノの要望で、一緒に新年を迎えようということになり、このホテルに来たのだが。

……もう11時過ぎ、昼間に散々ディーノと戦闘したせいで眠くなっていた。

「きょーやー……まだ寝るなよぉーふ……ふぁぁあ……」

ゆっさゆっさと僕を左右に揺さぶるディーノ。

寝るなと僕に言っている彼も欠伸をしている。

「……あなたも眠いんでしょ」

「眠いけどっ!!でも恭弥と一緒に年越してぇの!!あけましておめでとうしたいの!!!」

その気持ちは実際ありがたいけど、ディーノと一緒に年越ししたいという気持ちもないことはないけれど、

それ以上に眠いのだ。

「……わかった。じゃあ5分前に起こして」

「嫌だよ」

「なんで」

「お前、起こすと殴るじゃねぇか」

………そういえば昼寝してたときに起こされて反射的に殴ったこと数回あったような。

正直目覚めのことはあまり覚えていない。

「…………。」

あ、ダメだ。

まぶたが重く。

意識が薄――

「恭弥ぁぁぁあ!!!おきろっおきろって!!!!」

脳震盪でも起こすんじゃなかというほど揺さぶられ、鼓膜が破れるんじゃないかというほどの声で叫ばれた。

若干頭がクリアになってきた。

「………別に今寝たら死ぬわけでもないのに…」

折角もう少しで寝れそうだったのに。

迷惑なことこの上ない。

……目覚めついでにムカついてきた。

「……ねぇ」

「ん?」
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