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□親友?
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「暑い〜〜〜!」
ミンミンと蝉が五月蝿くなく8月。
僕の隣にいる前原圭一が叫んでいる。
「圭一……そんなこと言ったって涼しくはならないよ…」
「悟史ぃ〜」
「むぅ……なんだよ?」
「アイス奢ってくれ〜〜!!」
俺が溶けるーとか言いながら,僕の肩に手を回してくる。
「はぁ……圭一,暑いんならくっつくなよ;;」
僕も暑いから圭一の手を離そうとするが,なぜか圭一は僕から離れようとしない。
「悟史……」
「……何?」
「お前って本当に可愛い顔してるよな」
何を言うかと思ったら,僕の顔を覗き込みながらそんなことを言っている。
「"可愛い"なんて言われても嬉しくないよ」
ちょっとムカッときて,そう言ったのに,圭一は悪びれもせずに………
「でも可愛いって言われたことあるだろ?」
なんて言ってくる。
「……僕の事を可愛いなんて言うの圭一だ………あ。」
………圭一だけじゃなかった。
そういえば……詩音にもしょっちゅう言われてる。
……圭一はニヤニヤしながら「な?俺だけじゃないだろ?」とか言っている。
……………なんだか急に恥ずかしくなってきた。
「お?悟史………何顔赤くしてんだ?かわいーっ」
楽しそうに僕をからかってくる圭一。
「可愛くない!!赤くなってなんかないし///暑いだけっ!!そしてくっつくな圭一!!」
「暑苦しいっ!!」そう言って圭一をひっぺがす。
そしてスタスタと歩きだす。
「あ,悟史〜〜?どこ行くんだよー?」
「……アイス。買いに行く」
「おっ?さっすが悟史!!」
………そう言った後にまたくっついてくる圭一。
てゆーかさすがって何?
……もしかして。
「圭一?」
「何?」
「…………奢らないよ?」
「え?」
本気で驚いた顔をする圭一。
誰も奢るなんて言ってないのに………どうしたらそんな勘違いが出来るのだろう。
「圭一,家反対側でしょ?早く帰らなくていいの?」
「いや……俺も行く。」
圭一は自分で買うといって僕についてくる。
………まぁ多分,店に入ってまた僕に奢れって言ってくるけど……
その時は無視してやろう。
そう思いながら二人でアイスを買いに行った。
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あとがき