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□ずっと君だけを
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最近……キラの様子がおかしい。

学校でもよくラクスといるし,帰るときも『ラクスと約束がある』と言って一緒に帰ろうとしない。

まぁ,最初の1・2日はまだ気にしていなかったけれど。

流石に3日連続となると………

「キラ……今日は一緒に帰れる?」

「あっ……アスラン……っ…ごめん!!今日も無理なんだ。………本当にごめんね……」

……これで連続4日。

「いや……用事があるんだろ?なら仕方ないよ……」

そう言って俺はキラから離れる。

俺は荷物をまとめながら考える。

キラがああ言っているということは,多分,本当に悪いと思っているということだ。

「アスラン?帰るぞー?」

「あ,あぁ」

……カガリがそう言って俺と帰ろうとする時はラクスが一緒に帰れないとき。

そして俺もキラと帰れないということも知っている時だ。





ということは。





俺は視線をキラの方へ動かす。


その直後。

見なきゃ良かった。

そう思った。

キラは,ラクスと楽しそうに話していた。

「最近ほんっとあいつら仲良いよな。」

「うわっ……カガリ?!」

いつの間にか俺の隣に来ていたカガリがまるで俺の心を読んだかのようなことを言う。

「ほら!!いつまでもキラに見とれてないで帰るぞ!!」

カガリが急かして来たので,俺はカガリについて教室を出た。



「はぁ……」

俺はキラの事を考えつつ,ため息をついた。

……カガリの言う通り,最近,妙にラクスとキラは仲が良い。

元々仲が良かったが………そう。

最近はよく二人で行動しているのだ。

……まさかキラに限って……浮気……はないだろう。

キラは浮気をするような奴じゃない。

でも……だとしたら何なんだ?

「……はぁ……」

「……何だアスラン……さっきからため息ばかりついて」

俺が何度目かのため息をついたとき,さすがにイライラしていたらしく,カガリがそう言ってきた。

「いや……キラのことで……」

そこまで言ってふと思い当たる。

「最近キラがラクスと一緒にいるのが何でか知らないか?」

ラクスの親友であり,キラの双子の姉であるカガリなら何か知っているのではないかと思い,問いかける。

「まぁ……知らないこともないが……」

歯切れの悪い返事をするカガリ。

「何だ?俺に聞かれたら悪いような内容なのか?」

「そうじゃなくて………二人に言うなって言われてるから……」





……なんかムカつく。





その気持ちは表情にも表れていてしまったようで,その顔を見てカガリが苦笑する。

「ったく……なんだよその顔は…;;心配するな。別にキラはお前のことが嫌いになった訳じゃない。
……てゆーか…好きだからこそ今はラクスと行動してるんだろ」

カガリがそう言った所で俺の家に着いてしまった。

「また明日な。……キラのこと信じてやれよ?」

そんな言葉を残してカガリは方向転換した。



……いまいちどういうことかよく分からなかったけれど,俺が心配しているようなことはない………みたいだ。
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