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□あの空の先で
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「「はあぁぁぁああ?!」」




キラとラクスはほぼ同時に言った。

「ちょっとなにしてんの!!アスラン!!君,カガリの護衛でしょ?!」

「そうですわ!!カガリさんはオーブの代表で,か弱い女の子ですのよ!!」

二人に責められるがアスランは大して反省する気配がない。

「……か弱い女の子……?!あいつの何処がか弱いんだよ!!百歩譲って女の子なのは認めるとして!!」

カガリが聞いたら絶対に殴られるだろう事をまくし立てるアスラン。

まぁ,次に続けた言葉で殴られる事になるのだが。

「大体!!それだったらキラの方がよっぽどか弱い女のk……」

『子』を言う前に何の躊躇いもなくキラの拳が振り上げられ。

頭に直撃した。

いくら受けだとはいえ,キラだって男なのだ。

女の子扱いされて嬉しいわけがない。

しかもか弱いとまで言われて。

「いっった!!何するんだよキラ!!」

「……僕がか弱い女の子とか言われて嬉しいわけないでしょ?!」

「別にただの喩えだろ?本気でキラがか弱いとか思ってないし」

心の中で「むしろ時々恐いしな」と付け加えながらそう言う。

「……今,女の子ってとこ否定しなかったよね…」

「……まぁ……「おじゃましまーす。ってお前らなにやってんだ?」

今日のもう一人の主役であるカガリがドアを開けると,目の前でキラがアスランを押し倒していた。

……押し倒していたのではなく,押し倒しているように見えた。だけなのだが。

しかし,カガリは勘違いしたままで。

「………お前ら!!こんなとこでなにやってんだぁぁ!!」

真っ赤になりながら叫ぶ。

キラは気にせずにアスランを一発殴ると,起き上がって笑顔でカガリを迎えた。

「……いらっしゃい。カガリ」

……キラの笑顔が黒い!

「……一体何があったんだ?」

たった数十分の間にボロボロになっているアスランを眺めつつカガリは問う。

「別に。アスランが僕の事をちょっとバカにしてきたから……」

「……そうか…」

……アスラン何言ったんだ?

物凄く訊きたかったがキラが相変わらずにっこりと黒い笑みを浮かべているのを見て,カガリは訊いてはいけないというのを悟ったのだった。

ある意味カガリが原因だったのだから賢明な判断だったといえるだろう。

「てゆーかさ,カガリ。駄目じゃん護衛放しちゃ」

「え?……あぁ,だってあれは……アスランがすっごく早く行きたいオーラ出してたから……」

カガリもカガリで悪いことをしたとは思っていないようだ。






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