メイン1
□かっこいい君。
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「澪,顔あげて」
いつもより数段落ち着いた声でそう言われ,私はおずおず顔をあげる。
律の視線はまっすぐ私に注がれていて。
恥ずかしいのに,合わせた目を外せない。
「ね,澪……キス,していい?」
「……ぅ……うん……///」
『キスしていい?』そう訊いてくる律の顔はなんだかかっこよくて。
その表情に弱い私は頷いてしまう。
律と私の唇が重なる。
律の唇の感触は。
柔らかくって。
ちょっぴり温かくって。
私は律とのキスが嫌いじゃなかったり,する。
しばらくそうしていて,唇を離す。
律の顔は少し赤くて……きっと,私の顔は真っ赤なんだ。
さっきまで私の腕をつかんでいた右手は,今は私の髪をとくように撫でている。
「澪……やっぱり私,澪のこと,好きだわ」
やっぱり少しだけ赤い顔で,それでもかっこいい表情で,照れくさそうに律はそう言った。
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あとがき。