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□一番好きな表情
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で,赤くなって目をそらして十数秒。

詩音から反応がない。

不思議に思い詩音の方を見る。

「……詩音っ?!」

詩音は,真っ赤になって,硬直していた。

詩音の目の前で手をパンと叩くと,ハッとしたように顔を上げる。

「さ……悟史くん」

「何?」

「そんなこと言って,私が許すと思ったら大間違いですよっ!!」

真っ赤なままそういう詩音。

………可愛い。

「むぅ……そんなこと言って,真っ赤じゃないか」

「なっ,ななな,なーに言ってんですかっ!!赤くなんてな……っ?!」

ちゅっ――。

「……っ///」

唇を離すと,限界まで赤くなった詩音。

「さ……悟史くんじゃない……」

「ん?」

「こんな攻め攻めした悟史くん悟史くんじゃないですっ///」

……僕がこんなことできるなんて自分でもびっくりだけど。

まぁ,圭一に言わせれば『好きな子のいろんな表情を見たくなるのは当然』らしいから,そういうことなんだ。

きっと。

実際,照れてる詩音も怒ってる詩音も可愛いと思うし,好きだけど。

……でも,やっぱり――

「悟史くん」

「……?――///」

名前を呼ばれたと思った瞬間,詩音が僕にキスをしていた。

そして,

「大好きですよっ!!悟史くん♪」



……やっぱり。

笑顔の詩音が,一番好きだ。




―――――――――――
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