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□甘さは控えめに
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「あー……暇だなあ………」

ベルセンパイのベットに寝転びながら呟く。

今任務中のためこの部屋の主は留守である。

正直、一応今日中に帰ってくるとは言っていたけれど、もしかしたら、明日になるという事だってあり得るのだ。

今日が誕生日だって知ってるなら何もわざわざベルセンパイを任務に行かせなくてもよかったじゃないか、と思ってみたり。

まぁ、ボスがそんな事考慮するはずがない事ぐらいわかってはいるけれど。

ふかふかの布団に包まれば、少しだけ感じるベルセンパイの匂い。

「………」

「ししし。」

「………」

気のせいかな。

今ベルセンパイの声が聞こえたような。

幻聴まで聞こえる程ベルセンパイに恋い焦がれているなんて、そろそろ末期かもしれない。

「何、人のベットにもぐりこんでんの?」

………窓側を向いてた体を扉側に半回転。

「あ。」

本物だった。

要するにあれは幻聴とかじゃなかったわけだ。

うん。よかったよかった。

「帰って来て一言目が、あ。ってどういうことだよ。」

「……おかえりなさいですー」

「……ほかには?」

「はぁ。えーと。……死んでください。」

殴られた。

なんて冗談の通じないセンパイなんだ。

「全く、ジョーダンに決まってるじゃないですかー。……お誕生日、おめでとうございますー。」

………なんか妙に気恥ずかしい。

「あ、あとこれ。一応。」

クッキー入りの袋をセンパイに向かって投げる。

「……これ、お前が作ったの?」

きょとんとした表情で中をのぞくセンパイ。

「何か文句でもありますかー」

「いや、ねぇけど。」

そう言いクッキーを口に含む。

そして2、3口噛んで、固まった。

心無しか若干青ざめているようにすら感じる。

って言っても髪のせいでよくわからないが。

「ベルセンパイどうし……!?」

声をかけた瞬間に重ねられた唇。

しかもいきなりディープの方で。

というよりも。

「……んっ」

「よし」

唇を離したとたん清々しく笑うベルセンパイ。

「何、これ、………あまっ………」

………ルッスセンパイのクッキーは、普通のより砂糖が2倍ぐらい入っていたのだった。



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