メイン1

□暖かな体温
1ページ/6ページ


最近、なんだか調子が悪い。

普段はなんてことないのに時々、心臓が締め付けられるようになったり、熱が出てるみたいに顔が熱くなったり、うん、エトセトラエトセトラ。

「……なんだろうなぁ」

「……どうした」

「ききききき鬼道?!」

放課後、いち早く部室に来た俺の独り言に答えたのは、鬼道。

今の今まで存在に気付かなかった。

――…また、この感覚。

心臓がぎゅう、ってなるような。

「……なんでそんな驚くんだ?」

「いや、誰もいないと、思ってたから…」

「……へぇ…。で、どうしたんだ?」

「………いや、別に」

「そういえば、最近、あまり調子よくなかったようだな。……それと関係あるのか?」

「……」

確かに、最近の俺は調子がいいとは言えなかった。

……やっぱり、鬼道も気付いてたか……。

「……風丸」

黙り込んだ俺を気遣うように鬼道は顔を覗き込んできた。

……ゴーグルごしに感じる視線がむず痒い。

「……あまり、自分だけで抱え込むな」

「へ?」

「俺達は仲間、なんだからな」

そう言ってふっと笑い、立ち上がった鬼道を見て。

また、胸がぎゅう、となるのを感じた。

……でも、なぜだろう。

その中で、ほんのちょっぴりだけ心がつきん、となった気がした。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ