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□暖かな体温
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最近、なんだか調子が悪い。
普段はなんてことないのに時々、心臓が締め付けられるようになったり、熱が出てるみたいに顔が熱くなったり、うん、エトセトラエトセトラ。
「……なんだろうなぁ」
「……どうした」
「ききききき鬼道?!」
放課後、いち早く部室に来た俺の独り言に答えたのは、鬼道。
今の今まで存在に気付かなかった。
――…また、この感覚。
心臓がぎゅう、ってなるような。
「……なんでそんな驚くんだ?」
「いや、誰もいないと、思ってたから…」
「……へぇ…。で、どうしたんだ?」
「………いや、別に」
「そういえば、最近、あまり調子よくなかったようだな。……それと関係あるのか?」
「……」
確かに、最近の俺は調子がいいとは言えなかった。
……やっぱり、鬼道も気付いてたか……。
「……風丸」
黙り込んだ俺を気遣うように鬼道は顔を覗き込んできた。
……ゴーグルごしに感じる視線がむず痒い。
「……あまり、自分だけで抱え込むな」
「へ?」
「俺達は仲間、なんだからな」
そう言ってふっと笑い、立ち上がった鬼道を見て。
また、胸がぎゅう、となるのを感じた。
……でも、なぜだろう。
その中で、ほんのちょっぴりだけ心がつきん、となった気がした。