メイン3
□分かってください
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ジリジリと照りつける太陽に、ため息を吐くのさえ億劫になる。
つい数時間前までプラントにいた俺には、この暑さは本当に堪えた。
いや、もちろんこちらの方が自然なのは重々承知しているのだが。
というか何でキラはオーブなんかにいるんだ。
夏休みでもないのに、このタイミングでこちらの家に来る理由がわからない。
まぁ理由と言ったらカガリに呼ばれたからなのだろうけど、そんなもの断ればいいと思うのだ。
暑いの嫌いなくせに。
いつもの倍ぐらいに感じた道のりを乗り越え、キラ達がいるであろう家の扉をノックする。
しかし、三度ほどそれを繰り返しても返答がない。
仕方がないのでとりあえず扉を引いてみれば、あっさりとそれは開いた。
もしかして鍵かけずに出掛けてるのか、と思いきや、玄関先に見覚えのある靴が一足。
いるんなら出てくれよ。
そう思いつつ、家に上がる。
「キラー………、っ!?」
リビングのドアを開け、キラの姿を視認した途端、思わず息がつまりそうになった。
「あ、アスランいらっしゃい。気付かなくてごめんね……ってどうしたの」
どうしたもこうしたもあるか。
出てきたキラは、流石に下はジーンズを履いていたものの上半身に何も着ていなかった。
いや、暑いのは分かるが、その格好はどうなんだ。
というかあんまり露出しないでくれというのが本音だ。
しかしそんな俺の気など知るはずのないキラは、俺の手元のスーパーの袋を目敏く見つけて。
「あ、もしかしてそれアイス?」
惜しげもなく華奢な上半身を晒しながら、俺からそれを引ったくった。
「……キラ。そんなに暑い?」
よくよく考えればここは室内だ。
外と違って空調が利いている。
しかも俺からしたら若干寒いぐらいに。
冬場とまでは行かないが夏にしては寒いその温度に、クーラーを何度に設定してるか見てみれば、まさかの20度だった。
もはや環境に悪いとかそういうレベルを凌駕している気がする。
「キラ、寒くないのか?」
改めて訊き直せば、返ってくるのは曖昧な答え。
「んー……まぁ、若干?」
とか言いつつアイスを開封しているキラに、とりあえず服を着るよう促した。
キラはしばらく渋っていたが、結局は折れて適当なTシャツを着る。
それにホッとしつつ、その事でやっと周りの様子を見るに至った。
「ラクスとカガリは?」
「今日のバーベキューの買い物行ってるよ」
ソーダ味のアイスを口にしながら何でもない風にキラは答えた。
まぁそんなところだろうと思ってはいたが。