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□分かってください
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ジリジリと照りつける太陽に、ため息を吐くのさえ億劫になる。

つい数時間前までプラントにいた俺には、この暑さは本当に堪えた。

いや、もちろんこちらの方が自然なのは重々承知しているのだが。

というか何でキラはオーブなんかにいるんだ。

夏休みでもないのに、このタイミングでこちらの家に来る理由がわからない。

まぁ理由と言ったらカガリに呼ばれたからなのだろうけど、そんなもの断ればいいと思うのだ。

暑いの嫌いなくせに。


いつもの倍ぐらいに感じた道のりを乗り越え、キラ達がいるであろう家の扉をノックする。

しかし、三度ほどそれを繰り返しても返答がない。

仕方がないのでとりあえず扉を引いてみれば、あっさりとそれは開いた。

もしかして鍵かけずに出掛けてるのか、と思いきや、玄関先に見覚えのある靴が一足。

いるんなら出てくれよ。

そう思いつつ、家に上がる。

「キラー………、っ!?」

リビングのドアを開け、キラの姿を視認した途端、思わず息がつまりそうになった。

「あ、アスランいらっしゃい。気付かなくてごめんね……ってどうしたの」

どうしたもこうしたもあるか。

出てきたキラは、流石に下はジーンズを履いていたものの上半身に何も着ていなかった。

いや、暑いのは分かるが、その格好はどうなんだ。

というかあんまり露出しないでくれというのが本音だ。

しかしそんな俺の気など知るはずのないキラは、俺の手元のスーパーの袋を目敏く見つけて。

「あ、もしかしてそれアイス?」

惜しげもなく華奢な上半身を晒しながら、俺からそれを引ったくった。

「……キラ。そんなに暑い?」

よくよく考えればここは室内だ。

外と違って空調が利いている。

しかも俺からしたら若干寒いぐらいに。

冬場とまでは行かないが夏にしては寒いその温度に、クーラーを何度に設定してるか見てみれば、まさかの20度だった。

もはや環境に悪いとかそういうレベルを凌駕している気がする。

「キラ、寒くないのか?」

改めて訊き直せば、返ってくるのは曖昧な答え。

「んー……まぁ、若干?」

とか言いつつアイスを開封しているキラに、とりあえず服を着るよう促した。

キラはしばらく渋っていたが、結局は折れて適当なTシャツを着る。

それにホッとしつつ、その事でやっと周りの様子を見るに至った。

「ラクスとカガリは?」

「今日のバーベキューの買い物行ってるよ」

ソーダ味のアイスを口にしながら何でもない風にキラは答えた。

まぁそんなところだろうと思ってはいたが。
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