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□この関係性の名前
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仲がいい、とはどういうことなのだろう。

と、いうのも、俺と紅葉は端から見たら仲がいい、らしい(クラスメイトがそう言っていた)。

紅葉はどちらかと言えば気にくわないやつの部類に入っているはずなのだが、言われてみれば、確かにずっと一緒にいる気がする。

本当に仲が悪いのなら、普通は一緒になどいないだろう。

しかし、やはり仲がいいのかと考えると、いまいちよく分からなくなるわけで。

「……と、いうわけなのだが、どう思う」

「結局貴様は何が言いたいんだ」

紅葉は振り向くこともせず、俺の目の前を通りすぎようとした。

俺はその腕を掴む。

「話を聞け」

「何故僕がそんな下らない話に耳を貸さねばならない」

「下らなくなどない!!俺は極限に紅葉の意見を欲しているのだ!!」

そこまで言えば、やっと紅葉は振り返った。

眉根を寄せた、非常に不快そうな顔ではあったが。

しかしその表情は割と見慣れているので、もう一度さっきと似たような事を繰り返した。

今度は答えてくれるつもりらしく、目を伏せて考え出した。別にそこまで深く考えなくてもいいのだが。

その間、俺は特にすることがなくなり、何とはなしに目の前の男の顔を見る。

……よく見ると存外、整った顔立ちをしているかもしれない。

ずっと一緒にいたにはいたが、どうも真正面から顔を見ることなどそうそうないからな。

その時、ふと紅葉が顔を上げた。

考えが至ったのか。

紅葉は、俺の顔を見ると突如真っ赤になった。

「、ど、どうした紅葉」

「どうしたもこうしたもあるか!!そんなまじまじと見られたら結局びっくりするだろうが!!」

「なんだ、それは、照れておるのか?」

「な」

絶句。

冗談のつもりであったそれに言葉を詰まらせた紅葉は、目を見開かせ、更に顔を赤くさせた。

「タコみたいだな」そう笑ったら、思いっきり拳が飛んでくる。

「結局、僕と貴様は仲良くなどないだろう!!」

その拳を受け止めつつ、そうか、と思う。

やはり仲がいいわけではないな。うむ。

「ならば紅葉」

「まだ何かあるのか」

「何故紅葉と一緒にいるのが不快じゃないんだろうな」

首を傾げれば、尚更嫌な顔をされた。

「……知るか、アホウが」

ふいと横を向いたその顔が、何故だか可愛く見えた、なんて、絶対認めたくはないが。










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