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□きみとぼくのあいだ*
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「、あっ」

アスランは僕と身体を密着させたまま指を後孔に入れてきた。

いくら僕がいいと言っても、一切慣らさないのは不安だったのかもしれない。

それによって淡い快感が広がるけれど、今の僕にとったら、逆にそれが苦痛だった。

疼いた身体は、そんな快感じゃ物足りない。

もっとぐちゃぐちゃになるぐらいに、気持ちよくして欲しい。

「あ、アスラン、ふぁ……だめ、ぁん…もっと……」

耐えきれなくなってそう言うと、アスランが息を飲んだ。

彼の瞳はもうすっかり雄に染まっていた。

「、そんなこと言って、どうなっても知らないから」

「アスランになら、は、ぁ……あぁっ」

ぐい、と押し入るようにアスランの自身が入ってくる。

多少の痛みはあったけれど、ナカを擦られる快感の方が遥かに上回っていた。

ゆっくりとアスランは律動を開始する。

「あ、っ……ふぅ……んんっー」

数え切れないほど重ねてきた身体。

僕のイイところなんて、とうにアスランは把握済みで、そこを的確に擦って来るものだから、堪らない。

本当に溶けてしまいそうだ、と思う。

「あっぁ、きもち、」

「……キラ、」

「ふぁ……アス、ラン」

お互い、絶頂に向かいながら名前を呼び合う。

意味なんてない。

ただ、そうするとなんだか気持ち良くなるのだ。

「はぁ、あ……も、あすらん」

「ん……俺も」

アスランが僕の自身に指を絡めた。

アスランに触れられている、それだけでに達するには十分だった。

「やぁ、だめ……っ、イく……ぅ、っあぁぁあ」

「ーっ、」

僕が精を吐き出したしたことで、ナカが締め付けられたのだろう。

少し遅れてアスランの精液が僕の中に放たれた。

「アスラ、ン」

イった後の気だるさに、眠気が誘われる。

その上アスランが僕のことを優しく撫でるものだから、僕は睡魔に身を委ねてしまった。











「……んぅ」

穏やかな寝息をたてるキラの髪を撫でる。

情事後の穏やかな時間が俺は堪らなく好きだった。

まぁ、本来ならキラも起きている状態が一番幸せなのだが。

「はぁ……ラクスにしてやられたな」

濃い茶色の髪を弄びながら一人ごちる。

あの人はたまにとんでもないことをやらかしてくれる。

キラの寝顔には、身体が疼いているといった様子はもう見られない。

……一回で治まってくれたのがせめてもの救いか。

もちろんキラと繋がることは好きだし、人よりそういう願望が強いのも否めないのだけれど、キラに無理させることだけはしたくなかった。

起き上がれないキラを看病するのも楽しくはあるが、やっぱり身体を痛めているのを見るのは心苦しい。

だからこそ、二日連続、なんてそうそうしないのだけれど。

そんなことを考えていたら扉がノックされた。

誰かは予想がつく。

キラは未だ服を来ていない状態なので、俺だけ身を整え、外に出た。

扉の外にいたのは、予想通りラクス。

彼女は微笑みながら、刺々しく言葉を発した。

「あら、キラはこちらにいますのね」

「えぇ。貴女の悪戯はもう対処済みですよ」

「残念でしたわ」

「……どういうつもりですか」

睨み付けてそう言えば、ラクスはくすりと声を洩らした。

「あら、積極的なキラが見れてよかったんじゃありませんこと?」

……白々しい。

あまりの開き直りかたに怒る気にもなれなかった。

「人の恋人に手を出さないでくれませんか」

「……未遂ですもの。美味しいとこ取りした人に文句言われたくありませんわ」

「……今回だけですよ」

ラクスのこなれた微笑みの中に隠される無言の圧力におされ、そう言ってしまう自分に嫌気がさす。

今後何年たってもラクスには勝てないんじゃないだろうか。

これ以上話していてもどうしようもないと判断した俺は、部屋に戻る。

さっきまで寝ていたキラが、目を覚ましていた。

俺の姿を確認すると、真っ赤になって布団に潜り込んでしまう。

……可愛い。

「キラ、なんで隠れるわけ」

「……恥ずかしい」

俺も再びベッドに戻る。

すると、キラは俺におずおずと抱き着いてきた。

いつの間にか下だけ履いていた……のはまぁいいとして、恥ずかしいと言った直後にこれってどういうことだ。

「……アスラン」

「眠い?」

なんとなく声からそんな感じがしたので問えばキラは頷いた。

それから、にこりと微笑んで。

「だから、一緒に寝よ」

「ん、」

二人密着して布団に潜る。

こうすると小さい頃を思い出して、なんだか楽しくなった。














タイトルは虚言症様より。


2010*12*15
追加2010*12*16


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