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□寂しがり屋の意地っ張り
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※36話ねた



なんで不機嫌なんだ、と。

質問してくるガブリエラは、存外本気で、鈍感なようだった。

俺はその質問に、数時間前にしたのと同じように「自分の胸にききなよ」そう言った。

さっきはそれで閉口したガブリエラだが、今回はそうもいかないらしい。

「下僕」そう言いながら、俺を抱き締めてきた。

「、ちょっと、離してよ」

「教えてくれたら離してやらんこともない」

意地なのか何なのか、ガブリエラはどうしたって不機嫌な原因を言わせようとしているらしかった。

それを俺は、少し意外に感じる。

ガブリエラって、他人の心情にあんまり興味を示さないものだと思っていたから。

相手がどう思おうが自分の思うがままにする、それが彼女だと思っていたから。

試しにそれを口に出してみれば、もしかしたら不快に感じられるかなとも思ったのだけれど、そんな様子は全く出さず。

「下僕の幸せは私の幸せだからな」

なんて。

聞いてて胸がこそばゆくなると同時に、少しだけもやっとした。

下僕、それは、俺のことだけを指しているんじゃない。

「俺が嫌なのは、そういうとこ、なんだけど」

「……は?」

首を傾げるガブリエラ。

見慣れぬショート姿に、一々煩い俺の心臓。

「……どういうことだ?」

そう問うてくるガブリエラに、後は自分で考えて、と、そう言えば。

俺の言葉通り、思案し始めるガブリエラ。

未だ俺は抱き締められたまま。

「……離してよ」

「まだ答え聞いてないぞ」

きっぱりと切り返してくるガブリエラに、嘆息。

なんで分かってくれないんだか。

そんな風に思うも、自分から言えるはずなどなかった。

自分だけを見て欲しい、なんて、どうしたって恥ずかし過ぎる。

「……下僕」

「だから自分で、」

考えろ、その言葉は飲み込まざるを得なくなった。

触れたガブリエラの唇。

突然の事に目を閉じる暇なんかなくて。

(……くっそ、)

程なく近い距離にあるガブリエラは、やっぱり、イケメン、だった。

髪型変えただけでここまで変わってしまうなんて、なんかちょっと悔しい、ような。

「……じゃなくて、急に何するんだよ!」

ばっ、と自分から離れれば、ガブリエラは満足気に微笑んだ。

「……機嫌、直ったみたいだな」

くく、と妖艶に笑うガブリエラに、身体が火照るのを感じる。

なんでこういう所にだけ敏感なんだよ。

恥ずかしさとか、キスなんぞで機嫌直してしまう自分の単純さに対する苛立ちとかで。

その場から逃げたしたくなったけれど、それはガブリエラが許してくれなかった。


(私の手から逃げれると思うか?)
(……思ってないけど!)














タイトルは星になった、涙屑様から。


2011*01*02
 

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