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□モノより大事なコト
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……ここは見た目じゃなくて行動で勝負だ!!

と、ある意味当然の結論に落ち着いた。

澪が洋服に気合い入れてきた分、私はいかにデートをエスコートできるかで気合いを見せてやるんだ。

澪が息を整えたのを見計らって、その手を引く。

「り、律」

「いいだろこのくらい。デートなんだし」

指を絡めながらそう言えば、澪も繋いだ手に少し、力を入れた。

真っ赤になった顔をからかってやろうかと考えたけれど、ここで気を損ねられたら敵わないので気付かれないように小さく笑うだけに留めておいた。

「……で、どこ行くんだ?」

見慣れた商店街を歩きながら、澪はそう問いかけてきた。

「うーん。どうしようかなぁ」

「決めてないのかよ?」

「デートだってことに浮かれてて、そこまで頭が回らなかった」

「なんだそれ」

二人で小さく笑い合う。

どこ行く、とかじゃなくてもさ、こういう何気無い仕草の一つ一つでも、あぁ、デートしてるんだなぁ、って思えるから。

だから別に、デートなんてきっとどこにいようがおなじなんだ。

まぁ、流石にこのままぶらぶらするだけってのも色気が無さすぎるから、どこかには行きたいんだけど。

「んー……澪、欲しいもの、ある?」

「今か?強いてあげるなら、イヤホン、とか」

「……買いに行くか?」

「デートでまで楽器屋さんもなんかなぁ」

「……だよなぁ」

これならやっぱり、ばっちりデートコース決めておくんだった、と今更ながら後悔。

どれかいい店はないかと左右をキョロキョロしていたら、いい感じのところを発見。

多分、女の子向けの雑貨店。

あそこなら私でも見れるようなものがありそうだし。

何よりきっと、澪はああいうの好きなはずだ。

「澪、あそこなんかどう?」

「え、いいのか!?」

「、うん」

もしかして行きたいと思っていたのだろうか。

想像以上の澪の食い付きに少しだけ面食らった。

「一度行ってみたかったんだよな」と目を輝かせながら私の手を引く澪に、これじゃほんとにいつも通りだなと思った。

まぁ結局のところ。

この感じが私たちは好きなんだろうなとも思うんだけど。

そして店内に入る。

私はずっと手を繋いでいたかったのだけれど、店内を回るには不都合だということで、仕方なく離した。

本格的に店を回り始めた澪に嘆息しつつ、折角だから何かいいものがないかなと私もなんとはなしに見ていく。
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