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□さっさと立ち去ってください
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怖がって誰も近寄らなかったはずの僕のテリトリー……応接室に、人が居座るようになったのはいつ頃だったか。
しかも、二人、鬱陶しいのが。
僕は群れるのが嫌いだ。ついでに喧しいのも好きじゃない。
そして、今のこの状況は両方に当てはまるため、僕はといえば、物凄くイライラしていた。
「何故跳ね馬はいつもここにいるんですか!!」
「それはこっちのセリフだ!!わざわざ有幻覚使って恭弥んとこ来るなんて!!大人しく水漬けにされてろよ!!」
「……はぁ」
煩い、本当に。
さっきから似たようなことを何回繰り返しているのだろう、この人たちは。
どうせ答えも出ない言い争いならしなきゃいいのに。馬鹿じゃないか。
そもそも本当に何で六道骸がここにいるのだろう。
ディーノは……まだ、僕が許可してはいるし、それに彼は僕が仕事をしている間に無暗に話しかけたりして来ないからいいんだけど。
まぁ、それも、六道骸がいない場合。
骸がいるときのディーノはなけなしの気遣いまで外にほっぽって骸と言い合いをしだすから、こっちからしたら迷惑なことこの上ない。
「ねぇ、二人とも、出てってくれない。邪魔」
いい加減二人の下らない言い争いをBGMにするのにも飽きてきて、そう言った。
そうすれば二人は一度さっきまで忙しく動かしていた口を閉じて、こちらを見た。
かと思えば次の瞬間には顔を見合わせて……いや、睨み合った、の方が妥当か。
それから、また口を動かし始めた。いいから出ていけ。
「ほら、恭弥が迷惑だってよ!!さっさと帰れ!!」
「そっちが帰ればいいでしょう!!」
心の底から重い息を吐く。
この人たちには脳みそが付いていないんだろうか。
二人とも、って言ったのに。
僕が呆れているのにも気付かず、二人の言い争いはヒートアップしていく。
しまいには僕に意見を求め始めた。
「雲雀君はどっちに帰って欲しいんですか!?」
「いや、両方なんだけど。……強いて言うなら、君」
ディーノ一人ならさほど害がないしと思いつつ、そう答えたら、やはり彼には不満だったようで不平を漏らしてきた。
「何で跳ね馬じゃないんですか?!恋人な訳でもないでしょうに!!」
その言葉に、僕とディーノは、思わず一瞬固まった。
僕は若干頭を混乱させながらもとりあえずディーノを骸に声が聞こえないような部屋の隅まで引っ張る。