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□最終手段
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「沙都子ー、これお前の兄貴だろ。どうにかしろ」

「……沙都子?」

「っ!!」

沙都子にどうにかしてもらおうと試みるも悟史の一睨みであえなく玉砕。

「もう皆向こう行ってて!!僕と圭一の邪魔するなっ!!」

その上に皆を邪魔者扱いだ。

「……本当にどうしましたの?変ですわよにーにー」

「悟史くんいつもそんな圭ちゃんにベッタリじゃないのに…」

「むしろ恥ずかしがって近づかないぐらいだしね」

口々に言う女子組。

確かに彼女たちの言うそれは事実なのだ。

普段は学校で悟史といちゃつこうにも恥ずかしがって拒否られる。

そしてそれが日常になっていた、から。

今日のこれは大分……変、なのである。

「……だって、圭一が他の女の子とばっかしいちゃいちゃするんだもん」

『……………は?』

「圭一の恋人は僕なのに」

『………………、』

思わず、全員で黙り込んでしまう。

なんだ、つまり悟史は嫉妬してたのか。

でも凄く理不尽な気がする。

そんな俺の心を代表するように梨花ちゃんが口を開く。

「みぃ。圭一は悟史といちゃいちゃらぶらぶにゃんにゃんしたそうにしてたのに悟史が拒んでいたのですよ?」

別ににゃんにゃんはしようとしてないぞ、梨花ちゃん。

思ったが口には出さないでおく。

「そ、それはやっぱり恥ずかしいし……」

「言ってることとやってることが矛盾してるぞ」

「今日はいいの」

むぅと言いながらさらにがっしりしがみついてくる。

……どうしたもんか。

熱でもあるんじゃないかと額に手を当ててみても、全くの平熱で。

変なものでも食ったのかとも思ったが、悟史がそんな危険なもの口にするはずがない。

というか、ついに部活メンバー以外からの視線が痛くなってきた。

離してもらわないと知恵先生に怒られる。

てかすでに気付かれてる。

「……悟史」

「なんだい?」

「離さないと、」

今ここでキスするぞ?

……そう言ったらすんなり離れてくれました。

これはこれで傷つくな。







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