むくむく
□空に手がとどくのなら
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今日は久々の休暇
意味もなく天気がいい
だが、これといってやることもないので俺は部屋で寝転がっていた
ガチャ・・・
ん?部屋に誰か来やがった
「ベルかぁ・・・?」
ドアの方に背中を向けながら聞いてみた
「ハハハ、俺だって」
「・・・や、山本武ッ!?」
思わず声が裏返ってしまった
声のした方に目を向ければ紛れもなく山本武で・・・
「せーいかいっ!」
ヤツはゆっくりと近づきベッドに腰かけた
「な、何しに来たんだ・・・?」
「ん?あぁ、スクアーロのボスさんに呼ばれてさ、何かと思えば寿司が食いたかったんだって
ほら、俺の手酢の匂いがするだろ?」
手を顔の前に出されて
・・・あ、酢の匂いだぁ・・・
と、感じる
「面白ぇよな、あんな顔して寿司が食いたいだなんてさ」
「・・・じゃあ俺には何の用もなかったのかぁ?」
「スクアーロ、そんな拗ねんなって」
左の頬がヤツの右手の甲で軽く叩かれる
コイツの癖だ
「用がなかったら来ちゃダメなのか?」
「来ても意味ねぇだろぉ」
「スクアーロに会いたかった、じゃ理由になんない?」